ゴマには、ゴマリグナンと呼ばれる抗酸化物質が約1%程度含まれています。
このゴマリグナンを構成している主成分が、セサミンです。
このセサミンは、非常に健康効果栄養価が高く、低血圧の予防にも効果が期待できます。
低血圧とは、めまいや失神などの症状が現れるほど血圧が低い状態です。
血圧が低くなり過ぎてしまうと全身に血液が十分に供給されなくなり、その結果細胞に十分な栄養素や酸素が行き届かず、老廃物などを除去できなくなります。
低血圧を引き起こす原因の一つとして、女性ホルモンの一種であるエストロゲンが加齢に伴って減少したことによる、自律神経の乱れが考えられます。
女性ホルモンバランスと自律神経のバランスは、どちらも脳にある視床下部という部分でコントロールされています。
加齢に伴ってエストロゲンが減少してしまうと、この視床下部が混乱してしまいます。
すると、自律神経のコントロールも正常に行われなくなって、交感神経と副交感神経のバランスが乱れてしまうのです。
自律神経のバランスが乱れて副交感神経が優位になった場合、筋肉が緩んで血管が広がります。
しかし、血管が広がったとしても血液の量が増えるわけではないため、血管の広さに対して血液の量が相対的に少なくなり、低血圧に繋がってしまうのです。
ですので、低血圧を予防するためには、自律神経が乱れないようにホルモンバランスの乱れを防ぐことが大切です。
セサミンを含むゴマリグナン類は、「植物性ゴマリグナン」とも呼ばれています。
この植物性ゴマリグナンとは、植物に含まれているエストロゲンと構造がよく似た成分で、摂取すると体内で女性ホルモンと似た働きを行います。
このため、セサミンを摂取することで加齢に伴って減少したエストロゲンの働きを補うことができ、視床下部の混乱を防ぐことができます。
視床下部が正常に働くことによって、交感神経と副交感神経のバランスも整います。
すると血液が流れる血管の太さも正常になって、低血圧の予防と改善を叶えることができるのです。
低血圧は、ホルモンバランスや自律神経の乱れだけでなく、病気が原因となっている可能性が考えられます。
低血圧を併発する病気は、心筋梗塞や悪性腫瘍など様々なものがあり、急に低血圧の症状が現れた場合は重篤な病気である可能性もあります。
低血圧を併発する病気の一つである心筋梗塞は、心臓の筋肉に血液を送り込んでいる冠動脈の動脈硬化が原因となって起こります。
急性心筋梗塞によって心臓の壊死範囲が広がると、心臓のポンプ機能が障害を受けます。
すると、血液を送り出すことができなくなり、悪化すると血圧の低下や呼吸困難が起こりショック状態に陥るのです。
心筋梗塞を引き起こす動脈硬化は、血液中の悪玉コレステロールの増加や、その悪玉コレステロールが活性酸素によって酸化したことなどが原因となる場合があります。
食べ過ぎなどによって悪玉コレステロールが血管壁にたまると、血液の通り道が狭くなることで動脈硬化を引き起こす可能性が高くなります。
このコレステロールの調整は肝臓が行っているのですが、活性酸素などによって肝機能が低下してしまうとこの機能が正常に働かず、その結果悪玉コレステロールばかり作り善玉コレステロールが減ってしまうのです。
ですので、低血圧を併発する心筋梗塞を予防するためには、この活性酸素を除去することが重要です。
しかし、活性酸素は人が呼吸によって酸素を吸うことで自然と発生してしまいます。
また、肝臓でエネルギーの合成などが行われる際にも、活性酸素は大量に発生してしまいます。
人の体内には、活性酸素を除去するSODという酵素がありますが、このSODは加齢と伴に減少してしまいます。
ですから、外から活性酸素を除去する抗酸化物質を取り入れることが望ましいです。
セサミンは、肝臓に到達した後に強い抗酸化物質に変化するため、肝臓で直接作用して活性酸素をしっかり除去することができます。
抗酸化物質には様々な種類が存在しますが、その多くは水溶性で血液中で作用するため、肝臓までたどり着くことができません。
この点、セサミンは脂溶性であり肝臓に血液を運ぶ門脈で吸収されて肝臓まで到達するため、肝臓で直接活性酸素を除去することができる数少ない成分なのです。
セサミンの抗酸化力によって活性酸素を除去すると、肝細胞の酸化を防ぐことができ、その結果肝機能が向上します。
そして、肝機能が向上すると、コレステロールの調整機能も正常に働き、悪玉コレステロールを減らして善玉コレステロールを増やすことができ、低血圧を併発する心筋梗塞の予防に繋がるのです。