和食を食べる日本人にとって、ゴマは欠かせない食材です。
ゴマあえやゴマ豆腐など、ゴマを使った料理は、日本で古くから親しまれてきました。
日本のゴマの消費量は、年間で約16万t(2006年)です。
これは、40年前と比べると約2倍もの量になります。
しかし、日本で消費されるゴマの産地の割合は、国産がわずか0.1%で、残りの99.9%が外国産です。
ゴマの輸入量は徐々に増えており、1988年のゴマ輸入量は年間でおよそ10万tでしたが、2008年には18万tになりました。
日本がゴマを輸入する国は、主にパラグアイやボリビアといった中南米や、ミャンマーやトルコなどです。
日本では、約20ヵ国以上からゴマを輸入しています。
国民一人あたりのゴマの平均年間消費量は、食品ゴマの場合は約670gで、ゴマ油の場合は、約370gです。
これは、国民が毎日ゴマを小さじ1~2杯程度食べていることになります。
ではなぜ、日本では毎日沢山のゴマを消費するのに、自給率が少ないのでしょうか。
日本では、ゴマの輸入量が徐々に増えていますが、自給率は減少しています。
1970年の国産ゴマの生産量は、約570tもありましたが、その数は徐々に減少していき、50tを下回ってしまった年さえありました。
日本のゴマの自給率が減少していった理由は、ゴマの生産は非常に手間がかかるのに収益が少ないため、採算がとれないことが考えられます。
ゴマ作りの作業は、ほとんどが手作業で行われます。
また、ゴマを収穫するタイミングを見計らう必要もあります。
ゴマは、「さく果」と呼ばれるさやにできますが、成熟するとさく果が開いてゴマが飛び散ってしまいます。
そのため、良いタイミングでゴマを収穫する必要があります。
また、収穫が終わった後は、ゴマから枯れ草や小石などを十分に取り除く必要があります。
この作業には根気がいり、時間や手間もかかります。
このように、機械が入りにくくて手間がかかるのに、採算がとれないといった理由から、国産のゴマの自給率は減少していきました。
以前は、農家の方が田んぼや畑のすみでゴマを栽培し、収穫した分を自宅で食べていました。
しかし、現在は田畑そのものが少なくなったこともあり、国産のゴマの生産量はさらに減ってしまいました。
日本のゴマの生産量はわずか0.1%ですが、そのうちの6割が鹿児島県の喜界島で生産されています。
喜界島は、奄美大島の隣に位置する小さな島です。
小さな島ですが、100ヘクタールを越えるゴマの栽培面積を持ちます。
さらに、喜界島の気候や土がゴマの栽培に適しているため、多くのゴマが生産されています。
喜界島で作られるゴマの特徴は、風味が豊かで味が濃い点です。
味や風味も優れていますが、丁寧に作られているため品質も良く、安心して食べることができます。