肝臓は、人間の体の中で最も大きな臓器で、右わき腹の肋骨の内側にあります。
肝臓では、主に3つの役割を担っています。
1-1.代謝作用
肝臓は、タンパク質や脂肪などの原料を化学反応によって加工する工場のような働きを持っています。
食べ物から得たタンパク質や糖、脂肪を体内で利用できる形に変えて貯蔵します。
そして、必要な際にエネルギー源として利用します。
1-2.解毒作用
肝臓では、アルコールや食品添加物などに含まれている有害物質を分解して、体にとって無害なものに変えた後に体外へ排出します。
肝臓は、体外から入ってくる有害物質だけでなく、体内で生まれた有害な物質も無害なものに変えて処理します。
例えば、腸内で食べ物が消化吸収されるときや、アミノ酸が分解される際にアンモニアが自然に発生します。
アンモニアをそのままの状態にしておくと、脳に悪影響を及ぼします。
このため、肝細胞はアンモニアを尿素という無害なものに変える働きを行います。
1-3.胆汁の生成と分解
肝臓には、老廃物を流すために必要な胆汁を生成する働きがあります。
胆汁は消化液の一つであり、脂肪の消化や吸収を助け、コレステロール値を調整する役割を果たします。
肝臓でエネルギーの生成が行われる際に、活性酸素が発生します。
活性酸素は、細菌から細胞を守る働きがありますが、過剰に発生してしまうと細胞を酸化させます。
肝臓は、血液によって運ばれる酸素を大量に消費するため、活性酸素を多く発生させます。
また、肝臓は活性酸素の影響を受けやすい臓器でもあります。
活性酸素によって肝細胞の酸化が進むと、肝機能が低下して様々な症状を引き起こします。
例えば、肝臓で老廃物が正常に解毒されず、体内に残ってしまい代謝を低下させます。
また、エネルギー源として代謝されなかった栄養は、中性脂肪となって蓄積されて肥満にも繋がります。
他には、体が疲れやすくなり、食欲低下やむくみといった症状が現れる場合もあります。
肝機能の向上するためには、活性酸素を除去することが重要です。
体内には、SODと呼ばれる活性酸素を無害化する酵素が備わっています。
しかし、その酵素は40歳前後から減少していく傾向があります。
肝機能が低下してしまうと、さらに活性酸素が増える可能性があるため、体外から活性酸素を除去する抗酸化物質を摂取することが大切です。